「新型コロナウイルス」感染拡大により経営に窮している事業主「A社」が、従業員「Xさん」を別の企業「B社」に【出向】させるなどして雇用を守る場合、A社とB社の両方に「産業雇用安定助成金(仮称)」が支給されることになる見込みです。
(※ 現在、厚生労働省がこの助成金の詳細について検討しているということです)
<ポイント①>
Xさんが出向期間終了後にA社に戻ることが前提です。
<ポイント②>
出向期間中の賃金等の諸経費の【最大90%】(中小企業の場合)が、A社とB社の両社に支給されます(ただし上限日額は12,000円)。
<ポイント③>
初回にA社とB社の双方に10万円/人が別途支給されます。
★★具体例で検証★★
<仮定①>
XさんのA社在職中の賃金日額が10,000円で、B社へ出向中の賃金日額もこれと同じ額とします。
<仮定②>
A社とB社の賃金負担額/日について、仮に以下の内容とします。
■ A社の賃金負担額:4,000円/日
■ B社の賃金負担額:6,000円/日
■ 出向期間中の教育訓練等の経費(B社負担):3,000円/日
<助成金の支給額(概算イメージ)>
【A社への支給額】
4,000円×90%=3,600円/日
⇒A社の実質負担は「10%」(400円/日)
【B社への支給額】
(6,000円+3,000円)×90%=8,100円
⇒B社の実質負担は「10%」(900円/日)
要するに「A社もB社も実質負担が10%で済む」という助成金です。
「雇用調整助成金」は、出向元であるA社に約67%助成し、B社には助成無し(0%)ですから、今回の「産業雇用安定助成金(仮称)」の方が、A社とB社の両社にとって相当に手厚い助成であることが分かります。
今回予定されている緊急事態宣言の内容の是非については意見が分かれるところですが、
時短営業により飲食業界の経営悪化が予測されています。
このような助成金を通じて、雇用の維持が図られることを期待しますし、私も微力ながらお役に立てればと思っています。
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HRプロフェッショナル社会保険労務士オフィス
福岡県社会保険労務士会会員 第4011982号
慶應義塾社会保険労務士三田会 会員
代表(社会保険労務士) 田中 宏明
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