「新型コロナウイルス」の感染拡大が顕著ですが、本年4月からは「同一労働・同一賃金」に関する法律、いわゆる「有期・パート法」が中小企業にも適用となります。
「働き方改革」、「同一労働・同一賃金」は待ったなし、ということです。
『なぜ正社員のAさんには▲▲手当が支給されているのに、パートの私(Bさんとします)には支給されないのですか?』
このようなBさんからの質問に対し、有期・パート法の14条2項は、【企業がパート等の方に説明することを「義務」】としています。
昨年10月来、同一労働・同一賃金に関する最高裁判決が続出しましたし、企業としては、以下の対応が必須と考えます。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【企業に求められる対応】(パート・有期法8条の観点から)
《STEP①》
パートのBさんとの待遇差を説明する上で、比較対象とするべき「通常の労働者(正社員)」Aさんを選定しておく。
説明義務に応えるため、です。
※「職務の内容」がBさんと最も近い労働者として、Aさんを選定しておくとOKです。
《STEP②》
BさんとAさんの間で「待遇に差が生じているか」を検証します。
《STEP③》
仮に待遇差が生じている場合、その待遇(▲▲手当とします)の「性質・目的」が以下のうち、どれがふさわしいかを考えます。
・「職務の内容」
・「職務の内容及び配置の変更の範囲」
・「その他の事情」
《STEP④》
上記を踏まえて「▲▲手当をパートのBさんに支給しなくて、正社員のAさんに支給することが合理か否か」判断します。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
かなり雑に言いますと、上記のようになります。
これもかなり雑ですが、例えば、某社に「危険作業手当」があるとして、
高所作業等への職務の対価とした場合、この手当は《STEP③》の「職務の内容」が性質・目的としてふさわしいと考えられます。
そうであれば、「正社員に支給してパート等の非正規の方に支給しない」ことは「不合理」という判断に至るおそれが高いです。
(※なぜならば、「高所作業」という「職務の内容」に関する対価であり、正社員か否かを理由にするのは不合理と言えるから、です)
長くなりましたが、常日頃から労使間で諸手当の性質・目的を共有し、「疑問(不信感)をそのままにしておかない」という至極当然のことが、労使間の紛争等を防止し、延いては労働者の定着強化にもつながる(生産性の向上にも影響する)のではないかと思います。
Comments